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労務相談FAQ
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■人事労務検定 1級レベル
Q 弊社ではメインのお客様が全国に営業所を持っており、従業員に出張 させることが結構あります。先日、ある従業員から、「現場で工事が終わって移動時間が長いゆえに戻りが夜遅くなるのは、納得がいかないので、移動時間分の賃金と残業代を払ってほしい」といわれましたが、支払わないといけないでしょうか? A これは出張中の移動時間を労働時間とするかどうかの問題になりますが 結論としては、ケースバイケースとなりますが原則として労働時間とは取扱わないと判断するのが妥当です。 これまでの裁判例をみていきますと通勤時間と同じ性質のものであって労働時間でないとする説と、移動は出張に必然的に伴うものであるから、使用者の拘束のもとにある時間とみて、労働時間であるとする説、使用者の拘束のもとにあるが、特に具体的な業務に従事することを命じられているわけでないから、労働時間とはいえないとする説など諸説あります。 いずれにしても移動時間中に,特に具体的な業務を命じられておらず、労働者が自由に活動できる状態にあれば、労働時間とはならないと解するのが相当といえるでしょう。物品の監視や運搬など特別な業務が指示されている場合には、支配下にあるとみなされてもおかしくないので労働時間と取り扱うのがよろしいかと思います。 このような場合には会社の出張旅費規程などに出張時の移動時間を勤務とみなす規定や、出張時にも時間外手当を支給する規定を定めているところもありますが、原則として出張旅費規程に例えば「出張先が会社の所在地から150キロメートル以上の場合には日当として日額4,000円を支給する」などときちんと定めておきバランスを取るのが良いでしょう。 |
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